4.15.2016

沖縄の共生

沖縄の共生について

 沖縄には相互扶助組織なる文化がある。共同作業における「結い」は「ゆいまーる」と言う名称のものがあり、サトウキビ刈りを無償にて複数人で行うことなど、「ゆいまーる精神」が日常的にある。また、資金の相互扶助である無尽は「模合」(ムエー)と言うものがあり、私自身も複数の模合に入っているように、これも日常的に行われている。他にもお墓参りも「清明祭」(シーミー)と言い、お墓の前で親戚数十名にて食事を持ち寄り、宴会風なことが行われるなどがある。

 沖縄の生活社会の中では、人と人の繋がりがあり、共に助け合い生活している。現代社会において、この共生観は子供から老人まで人間社会にとって、とても大事な事だと理解できる。また、この沖縄の共生観は沖縄独特の多文化共生により構築されたものではないかと考察する。

 沖縄の共生について、民族・歴史・文化などの背景から多文化を取り入れた共生観を考察する。
 沖縄の古くは中国や東南アジアなどの交易があり、その後日本による支配、アメリカによる占領、本土復帰と様々な形で沖縄は異文化と接触してきた。その異文化のなかで、諸外国の音楽や民芸など芸能を取り入れたりや、宗教や食生活なども取り入れてきた。言語は琉球語から日本語に、また占領中は通貨や交通の変わりなど、いろいろな面で様々な文化を取り入れてきた。中には取り入れざるを得ない状況の文化もあったであろうが、多様な文化の特性を認め、その上で沖縄の風土にあった形を作り出し多文化共生していきながら、独自の文化を形成していったと考察する。

 現代の沖縄では米軍基地問題の騒音や海兵隊による犯罪など、本土復帰40年経過してもいまだ占領下にあるような状況ともいえる。そして沖縄だけでなく、近年の隣国との領土問題などの摩擦が多い。
そのような状況のなかで、平成25年1月11日に比屋根照夫琉大名誉教授らが声明で「尖閣を非武装化し日本、中国、台湾の共存・共生の生活の場、友好のシンボルとする」と提言した。そして会見では「日本政府の尖閣国有化が、日中双方の激しい領土ナショナリズムを呼び覚ましている。沖縄戦を体験したわれわれとして、沖縄戦のような事態になりかねないという危機意識がある」と述べた。


 沖縄はいままで弱き立場に立たされながら、その中でも多文化共生をしてきた沖縄の歴史から、「沖縄の心」を受け継いでいき、誇れる文化を大切にしていきたい。そしてそれがこれからの世界社会において、人と人同士、国と国同士、文化と文化同士が共生していく上で重要な事だと考察する。

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