4.28.2016

1.血液透析の準備

Ⅱ 血液透析の手技に関する操作

1.血液透析の準備


1)ダイアライザ・血液回路(ルアーロック機能付,トランスジューサー保護フィルター付)を透析装置へ装着する.
•直前に手指衛生を行う.(Level 1 A)
•使用患者名,滅菌有効期限,袋の破損,液漏れ,異物混入などの確認をする.
2)ダイアライザ・血液回路の洗浄充塡(プライミング)および抗凝固薬の装着
•プライミング用生理食塩液(以下生食液と略す)を用いて,ダイアライザ・血液回路内の洗浄・充塡を行う.
•使用する生食液は添付文書に記された量を使用する.
•ダイアライザに透析液流入出カプラ(透析液ライン)を装着し,透析液側を洗浄充塡する.
•規定のシリンジに準備された抗凝固薬を抗凝固薬注入ラインに清潔に接続し,注入ポンプに設置する.
3)複数機器を用いて透析液濃度を確認する.



解説

1)           ダイアライザ・血液回路(ルアーロック機能付,トランスジューサー保護フィルター付)を透析装置へ装着する.

•直前に手指衛生を行う.(Level 1 A)

•使用患者名,滅菌有効期限,袋の破損,液漏れ,異物混入などの確認をする.

ダイアライザや血液回路の装着前には手指衛生を行い,未使用のディスポーザブル手袋を装着する.ダイアライザ,血液回路の透析装置への装着は,開封前に滅菌有効期限,包装に不良がないことを確認する.次に開封後,ダイアライザ,血液回路の外観,内部に異常のないことを確認してからホルダーに装着する.各接続部を清潔に維持し確実に接続する.また,血液回路の折れや捻れがないよう注意する.回路系は,各ラインのキャップ,ローラークランプ,抗凝固薬注入ライン等は閉じておき,密閉状態としておく.

2)           ダイアライザ・血液回路の洗浄充塡(プライミング)および抗凝固薬の装着
•プライミング用生理食塩液(以下生食液と略す)を用いて,ダイアライザ・血液回路内の洗浄・充塡を行う.

•使用する生食液は添付文書に記された量を使用する.

•ダイアライザに透析液流入出カプラ(透析液ライン)を装着し,透析液側を洗浄充塡する.

•規定のシリンジに準備された抗凝固薬を抗凝固薬注入ラインに清潔に接続し,注入ポンプに設置する.

洗浄充塡(プライミング)は,ダイアライザ内の空気,中空糸の保護剤,充塡液および血液回路の溶剤を洗浄,および生食液を充塡することである.洗浄充塡は,治療直前に行うことが望ましい.ダイアライザにはウエット型,ドライ型で洗浄充塡の方法が異なる.添付文書に基づいて行う.洗浄液量は,添付書に示す通り生食液 1 L 以上用いて,体外循環回路系内の空気を確実に除去する.
洗浄充塡の操作では,動・静脈側エアートラップチャンバの液面は 2/3〜3/4 の間に保持すること,回路系全体に空気のないことに注意し,さらに接続部のゆるみ,クランプ状態,回路の折れ曲がりなどを確認する.透析液ラインを接続して対向流に還流し,中空糸外側の洗浄およびダイアライザの透析液側を充塡する.
洗浄充塡後,抗凝固薬を接続し,さらに,治療開始前に体外循環回路系全体に異常が無いことを確認する.自動プライミング装置や透析液による自動プライミング装置での操作に関しては,添付文書や学会水質基準17)を順守する.また,装置を用いずにプライミングを実施する場合では,安全と感染防止に関わる基本操作は本ガイドラインに準ずる.
以上のダイアライザ,血液回路装着,洗浄・充塡操作は,医学上の清潔不潔概念をよく理解した臨床工学技士,看護師,准看護師などの有資格者が行うものとする.また,洗浄充塡後,治療に使用しなかった場合は破棄する.

3)複数機器を用いて透析液濃度を確認する.

 透析開始前に透析液濃度を確認する.透析液濃度測定は,電解質測定装置,血液ガス分析装置,pH 計,電導度計,浸透圧測定装置など,複数の装置を用いて適正範囲であることを確認する.電解質測定装置,血液ガス分析装置では,透析液モードのある装置を使用する.















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