4.19.2016

学習障害とは


 「文部省協力者会議・最終報告の定義」より「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない。」とある。
 この定義からLDは日常知など一般的な知的発達に問題はなく、教育知の一部に困難があることがわかる。また、この定義が成される前までは、LDの印象・イメージが家庭の問題や環境における問題など少なからずあったであろうと考えられる。


 LDの状態像及び特徴の全体像を把握し、それぞれの症状を分類して表す。また、行動特性・症状も示し分類表にまとめ表記する。

 には特徴的なものを表したが、これに限ったものではない。LDは多方面の分類があるが、LDと診断するに至り、すべてを含むものを指しているわけではない。一つの症状、または複数の症状が複合的にある場合もあり個人によって異なっている。


 特別支援教育の在り方は「文部科学省>今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)>概要」の基本的考え方に、「特別支援教育とは、従来の特殊教育の対象の障害だけでなく、LD、ADHD、高機能自閉症を含めて障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、その一人一人の教育的ニーズを把握して、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するために、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものである。」とある。文部科学省が示したことにより、教育支援計画、教育支援をする者、ネットワークなどの支援システムが構築していき、社会により浸透しやすくなったのではないかと考える。
 支援システムのネットワークは教育委員会、学校、福祉・医療関係、NPOなど様々な連携・協力がなされている。LD児の多くは通常学級の集団のなかにおり、支援システムは大変重要な役割をしている。教員のより専門的な知識や、特別教育支援コーディネーター、医療機関などが連携することによりLD児へのサポート体制が作られている。

 LDは家庭の問題、しつけ、もしくは本人の問題など、間違った認識が多くあるのではないだろうか。症状も多方面にあり、状況によっては一見して分かり辛いもの、親ですら気付かない場合もあるのではないだろうか。LDの社会的認知はまだまだ低いと感じる。また、文部科学省が示したLD・ADHD・高機能自閉症等の割合が6.3%という数字も、学校側の報告件数であって実際の統計人数ではない。実際の人数はそれ以上であろうと推測される。しかし、実際の人数が把握されなくても、支援システムがよりよく構築されていくことにより、LD児の学校での対応や教育の在り方、また家庭や親の知識を含め社会的にサポートし対応ができると思われる。
 しかしまだまだ一般的に浸透していない部分もあると感じられる。自分自身の経験より、授業参観で多動の児童に向けられる他の親の言葉や視線。また、我が子もチック症で通院中だが、周囲はその症状も見ても周知している人は少なく、やはり一般的には認知度は低いと感じられる。
 LDにはLDの行動特性を理解し、適切な対応をして支援していくことが重要である。一人ひとりの個性を大事にし、個人の良さを伸ばしていく。また学校、コーディネーター、医療機関などとの連携をとっていくことで、よりよい環境作りができるのではないだろうかと考える。


0 件のコメント:

コメントを投稿