1.10.2016

インクルージョン教育

インクルージョンとは

 インクルージョンとは、1994年スペイン・サラマンカで行われたユネスコに採択されたサラマンカ声明のスローガンから『インクルージョンの原則「万人のための教育」』から使われるようになった。


 「障害者権利条約におけるインクルージョンとは、障害のある人を「排除(エクスクルージョン)しない」という意味である。インクルーシブ教育とは、障害児者を排除しない教育であり、障害児者を排除しないために、(障害児者は排除されないために)社会全体の力をつける必要がある。共生社会の実現にためには学校教育こそインクルーシブな環境でなければならない。」とされている。

インクルージョン教育において、特別支援対象者と支援システムの在り方についての見解。

 特別支援教育の在り方は「文部科学省>今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)>概要」の基本的考え方に、「特別支援教育とは、従来の特殊教育の対象の障害だけでなく、LD、ADHD、高機能自閉症を含めて障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて、その一人一人の教育的ニーズを把握して、その持てる力を高め、生活や学習上の困難を改善又は克服するために、適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものである。」とある。文部科学省が示したことにより、教育支援計画、教育支援をする者、ネットワークなどの支援システムが構築していき、社会により浸透しやすくなったのではないかと考える。

 支援システムのネットワークは教育委員会、学校、福祉・医療関係、NPOなど様々な連携・協力がなされている。特別支援対象者の多くは通常学級の集団のなかにおり、支援システムは大変重要な役割をしている。教員のより専門的な知識や、特別教育支援コーディネーター、医療機関などが連携することにより特別支援対象者へのサポート体制が作られている。


インクルージョンについての見解。

「人、生物はそれぞれ違い、違うことが当たり前である。違うことを排除の対象とするのではなく、違いを認めることで、ポジティブな社会を創りあげていくことである。」とあるように、ヒトは十人十色・千差万別であり、それぞれの特徴がある。インクルージョンは障害のあるなしにかかわらず、またどちらが弱者か強者かといった一方的な価値観を持たない一元論の考え方が重要であると理解できた。

 今まで、LD・ADHD・高機能自閉症など、重度の知的障害にあたらない児童は、家庭の問題、しつけ、もしくは本人の問題などといった認識が多くあったのではないだろうか。また、文部科学省が示したLD・ADHD・高機能自閉症等の割合が6.3%という数字も、学校側の報告件数であって実際の統計人数ではない。実際の人数はそれ以上であろうと推測される。しかし、実際の人数が把握されなくても、インクルージョン教育や支援システムがよりよく構築されていくことにより、一人ひとりのニーズに合わせて教育していくこと、支援していくことができる環境を整えることができるであろうと考える。

 また、インクルージョン教育は学校教育だけではないと感じた。教師が行うインクルージョン教育もまだまだ至らないところが多いと思うが、父母同士や一般的な社会のなかでは「インクルージョン」という認識はかなり低いと感じる。自分自身の経験より、授業参観で多動の児童に向けられる他の親の言葉や視線。また、我が子もチック症で通院中だが、周囲はその症状も見ても周知している人はかなり少ない。

 「インクルージョン教育」の重要性を理解できたことにより、それを身近なところからでも周知させていくことができる。個人の力は微力であるが、周囲の理解を広めることで身近な小さな社会のなかでも、子どもにとってよりよい環境作りができるのではないかと考える。

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