5.05.2016

【透析災害対策マニュアル】 第4章 3.早期に身体に影響のある薬

【透析災害対策マニュアル】


第4章 災害時の薬・食事の管理



3.早期に身体に影響のある薬


 心臓の薬(ニトログリセリン製剤)・インスリン・カリウムを下げる吸着剤(イオン交換樹脂・・・災害時透析間隔が不規則になる可能性もあります。平常より Kが高めの方は、数日分は保管しておいたほうがよいかもしれません)については、主治医と相談しておきましょう。


1)降圧薬

 災害時のストレスは身体にさまざまな影響を与えます。また透析間隔が不規則になったり、十分な透析が受けられないなど血圧が不安定になる可能性があります。
 特に血圧が普段から不安定な方は血圧上昇時の対処に関しても主治医と相談しておきましょう。


2)糖尿病

 災害時のストレスは血糖コントロールに悪影響を与えます。また食事の間隔も不規則になりがちです。インスリンや内服に関し以下の点に注意し体調管理をしましょう。

(i) インスリンについて

 災害時に便利なインスリン製剤:災害時には、インスリン製剤と注入器が一体になっているプレフィルドインスリン製剤が便利です。


(入れ替えタイプの方)


 速効型インスリン・中間型インスリン・超速効型インスリンなど複数本持っているという人もいると思います。余分なインスリンを職場にも保管してください。
デバイスも余分に持っていた方が安心です。

(使い捨てタイプの方)

 自宅の他に、会社などにそれぞれ1本ずつ置いておきましょう。

(針の危機管理)

 複数個所に保管することも重要です。どうしても足りない時は自分の針に限って複数回使用することも検討してください。


(ii) 低血糖への対処

 低血糖症状を起こした時のために、ブドウ糖キャンディやブドウ糖を多く含む食品を常備しておきましょう。


(iii) 糖尿病の治療中の方で、食事が取れない場合


 被災直後に食事が取れない可能性や、慣れない避難所生活で風邪をひき、食事を取れない可能性もあります。その際のインスリン治療や糖尿病の飲み薬の内服方法については、日頃から主治医の指示を受けておいてください。主治医に連絡がとれない場合は、避難所の医師に相談してください。

1型糖尿病の方

 食事を全く取れない場合でも、中間型インスリン・混合型インスリン・持続型インスリンは、今までどおり注射します。これらのインスリン製剤は、食事に関係なく、インスリン基礎分泌量を補うために使います。食事が取れない場合の速効型・超速効型インスリンの注射量は、血糖自己測定機器によって血糖値を測定し調節します。低血糖(70mg/dl以下)であれば、直ちに糖分を含んだ食品を摂取しましょう。

2型糖尿病の方

 食事が取れない場合のインスリンの使用量や使用方法については、個人差がありますので、日頃から主治医の指示を受けておいてください。また、血糖自己測定機器は必ず携帯するようにしましょう。食事の摂取が不可能な場合には、糖尿病の飲み薬を短期間だけ中止するのはやむを得ない場合があります。病状によっては服用することで低血糖になってしまう場合があります。





0 件のコメント:

コメントを投稿