5.05.2016

【透析災害対策マニュアル】 第4章 4.災害時の食事管理

【透析災害対策マニュアル】


第4章 災害時の薬・食事の管理


4.災害時の食事管理


 被災時には、①当分の間透析が受けられない状況や、②透析が受けられたとしても、実施日や間隔が変更となったり、透析時間が短縮されたり、③幸いにして透析は受けられても、定期に処方されている薬が不足したり、食事が供給されない、など多くの困難が予想されます。

 このようなことから、透析を受けておられる患者さんでは、普段より一層厳格に食事管理をすることが重要です。

1)災害時の1日栄養量比較


普段から 3日分の食糧を備蓄しておく。


熱量(エネルギー)を確保するために、しっかり食べる。

 熱量摂取が極度に不足すると、体内では筋肉を分解して代替のエネルギーを得ようとします。この結果、筋肉が分解されて多くの尿毒素とカリウムが生じることから、これらの制限が必要な透析患者さんでは当然のことながら非常に危険な状態になります。

水分摂取を適正に行う。

 避難所での共同生活や自家用車内で避難生活をしていて、過度の水分制限から深部静脈血栓症やエコノミークラス症候群などを合併して、致死的な状況になることが報告されています。

また、夏場の避難所では停電や器材の不足などからクーラーや扇風機などの冷房器具が作動せず、酷暑の環境も予想されます。

 透析を受けている患者さんでは、一般に水分を控えることは大切ですが、これらの状況によっては適正な水分摂取にも心がけてください。

控え目にするもの;タンパク質、塩分、カリウム。

 被災地で支給される食事では、新鮮な食材を用いて簡単に調理したものも多く出されます。

 これらには、タンパク質・塩分・カリウムなどが多めに含まれていることが予想されますので、透析を受けている患者さんでは、これらを適正に加減してください。また、果物や野菜など多くの救援物資が支給されますが、これらも加減して上手に食べましょう。




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