4.30.2016

4.バスキュラーアクセスへの穿刺

Ⅱ 血液透析の手技に関する操作


4.バスキュラーアクセスへの穿刺


1)バスキュラーアクセスの状態を「見て」「聞いて」「触って」異常のないことを確認する.

2)事前に手指衛生を行う.(Level 1 A)
  ディスポーザブルの非透水性ガウンまたはプラスチックエプロン,サージカルマスク,ゴーグルあるいはフェイスシールド,未使用のディスポーザブル手袋を装着する.Level 1 C)

3) 動脈側穿刺では血管走行,深さ,太さ,硬さなどを確認して,穿刺針の先端位置を決定する.静脈側穿刺は再循環を避けるため動脈側とできるだけ離して穿刺する.

4)使用後の穿刺針内筒はリキャップせず,職員の針刺し切創を起こさないように耐貫通性専用容器に入れて感染性廃棄物として廃棄する.(Level 1 A)
 安全装置付穿刺針の使用が望ましい.(Level 2 A)


解説

1)           バスキュラーアクセスの状態を「見て」「聞いて」「触って」異常のないことを確認する.

穿刺部位の消毒は,1 点に付き 1 つ以上の綿球を用い,穿刺予定部位の中心から外へと円を描くように十分に行う.バスキュラーアクセスへの穿刺の前に必ずシャント音,スリルを確認する.また,発赤,腫脹,疼痛など皮膚状態についても確認をする.穿刺は十分血液流が認められる直線的な血管を選択する.また皮膚の瘢痕化,薄くなっている部位は避ける.再循環を起こさないように静脈側を選択する.

2)           事前に手指衛生を行う.(Level 1 A)
 ディスポーザブルの非透水性ガウンまたはプラスチックエプロン,サージカルマスク,ゴーグルあるいはフェイスシールド,未使用のディスポーザブル手袋を装着する.(Level 1 C)

3)           動脈側穿刺では血管走行,深さ,太さ,硬さなどを確認して,穿刺針の先端位置を決定する.静脈側穿刺は再循環を避けるため動脈側とできるだけ離して穿刺する.

バスキュラーアクセスへの穿刺は感染の機会も多いことから穿刺部の消毒,穿刺および穿刺針の固定等は,十分熟知したスタッフが行うべきものである.素手による穿刺はすべきではない.穿刺をやむを得ず素手で行う場合には,石けんと流水で手洗い後に速乾性手指消毒薬で手指を十分消毒してから行い,穿刺後直ちに手指衛生を行う.
穿刺針の刺入部には滅菌テープを使用して固定することが望ましい.穿刺針の固定は,抜針事故防止の上でも血液回路固定テープと共にΩ固定(テープで回路を囲むように覆い,皮膚に密着させる),a 固定(テープで回路とカニューレ接続部等を交差してから皮膚に密着させる)などテープと皮膚および回路のと接触面積が大きくとれる方法を用いる

4)           使用後の穿刺針内筒はリキャップせず,職員の針刺し切創を起こさないように耐貫通性専用容器に入れて感染性廃棄物として廃棄する.(Level 1 A)

使用後の穿刺針はリキャップせずに耐貫通性容器に廃棄する.容器は容易に手が届く場所に設置する
安全装置付穿刺針の使用が望ましい.(Level 2 A)
安全装置付穿刺針は,針刺し切創防止に有効であり導入が望まれる.構造的には針の先端部のみを保護するものや針全体を保護するものなどが存在する.






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