Ⅱ 血液透析の手技に関する操作
2.注射薬・医療材料・皮膚消毒薬の準備
1) 注射薬等の準備に関する注意事項
①
注射薬等を準備する場所は,血液汚染の危険がない清潔な区域とする.(Level 1 A)
② 準備する前に手指衛生を行う.(Level 1 A)
③
薬剤をシリンジに吸引する場合は,未使用のシリンジと注射針(ディスポーザブル製品)を使用する.
(Level 1 A)
④
プレフィルドシリンジ製品が市販されている薬剤に関しては,極力これを選択する.(Level 1 A)
2) 医療材料・皮膚消毒等の準備
①
滅菌処理をしたディスポーザブルキット(透析開始用・透析終了用)を使用することが望ましい.これらのキットの準備が不可能な場合は,開始・終了操作直前に患者ごと別々に滅菌トレイなどに無菌的に用意する.
解説
1)
注射薬等の準備に関する注意事項
①
注射薬等を準備する場所は,血液汚染の危険がない清潔な区域とする.(Level 1 A)
② 準備する前に手指衛生を行う.(Level 1 A)
③ 薬剤をシリンジに吸引する場合は,未使用のシリンジと注射針(ディスポーザブル製品)を使用する.(Level 1 A)
④
プレフィルドシリンジ製品が市販されている薬剤に関しては,極力これを選択する.(Level 1 A)
注射薬,医療材料等の準備前には手指衛生を行う.使い捨て注射針・シリンジの使用,単回使用バイアルを用いる.準備は基本的に透析室と区画された場所で行う.使用前・使用後の交差や扱うスタッフの交差のないようにゾーニング化が基本とさ
れる18).すなわち,準備室から透析室への移動は一方向として,透析室内で処理する.抗凝固薬など薬剤では多くがプレフィルド化されたものが導入されており感染防止,安全性から,極力これを使用する.キャップシールの剥がれのないことを確認し使用する.
2)
医療材料・皮膚消毒等の準備
①
滅菌処理をしたディスポーザブルキット(透析開始用・透析終了用)を使用することが望ましい.これらのキットの準備が不可能な場合は,開始・終了操作直前に患者ごと別々に滅菌トレイなどに無菌的に用意する.
透析開始用ディスポーザブルキット(消毒綿・消毒綿棒,防止シーツ,ガーゼ,ピンセット,穿刺部保護テープなど)や終了用ディスポーザブルキット(止血圧迫ガーゼ,消毒綿・消毒綿棒,ピンセット,インジェクションパッドなど)は,操作性,感染防止面からその使用が望ましい.皮膚消毒液は,キットに付属したものや単品包装の消毒綿棒も市販されている.それ以外では,処置直前に綿球,滅菌棒などを消毒液に浸し準備する。
目次へもどる
0 件のコメント:
コメントを投稿